知的障害のあるこの子どもたちは、こつこつと同じ仕事をしていくことが得意。そんな素敵な個性を伸ばしてあげたい。が、生まれながらにして与えられた能力が発揮できていない。 知的障害者である子どもたちが普通に生きていける、そんな場所を作りたいという願いから「物づくりの場所」として小規模作業所を開設したミルキーウェイ施設長の坂口さんが取り組んだのはさをり織りで障害者自身を自己表現すること。
絵を描くこと、詩を書くことと同じように既成概念にとらわれず自由に自分を表現するさをり織りは、どの反物を見ても世界に2つとない色鮮やかで、大胆で、見ていて楽しく、元気が出るものばかりです。 そんなさをり織りをミルキーウェイでは、障害者の方が、それぞれの思いでそれぞれの感性で織りあげています。
そんな素敵な反物が芸術性のある価値の高いものだということをみなさんに知っていただける方法がないか、私たちは試行錯誤していました。
そんなときに引き寄せられるように新しい出会いがありました。 香川県在住のデザイナー中野登志絵さんと知り合ったのです。 中野さんはコシノヒロコさんに師事し、大阪を舞台にデザイナーとして活躍されていましたが、その後、香川県に戻り、現在は全国にいらっしゃる中野デザイナーファンでもあるお客様のためにオーダーメイドを中心としたお仕事をされています。 そんな中野さんの夢が、障害を持つ人たちの自立支援だったのです。
障害があっても毎日楽しく仕事ができるよう、さをり織りを活かした商品づくりをしたい!それが中野さんの願いだったのです。 早速、中野さんにお願いし何度も打ち合わせを繰り返し、たくさんの試作品を作っていただいた結果生まれたのが、テディベア。 一針一針職人さんが手縫いで縫いあげていくテディベアは本当に手間暇かかりました。 さをり織りという素材でクマの耳や手や足など細かい部分を縫うのは至難の業だそうです。 さをり織りは、二つとして同じものがないという織物。その織物を使って一針一針縫われたベアは、さをり織りに織り込まれた豊かな感性を、そのまま引き出した世界に一つしかない個性豊かなものとして誕生したのです。
そして、そのテディベアの販売を担当することになったのが、このプロジェクトに最初から関わっていた㈱ロハスネットの鵜川社長。 鵜川社長は、それまでは、障害者の方と話をすることも無ければ交わる事も無かったそうです。そんな鵜川社長がこのプロジェクトを通じてミルキーウェイ主催の運動会に参加した時のことです。出来上がったテディベアを坂口施設長に見せたそうです。すると、坂口施設長は、その生地をみただけで、誰が織ったさをり織りかが即座にわかり、すぐにその子のところへ飛んで行きそれを見せたとたん二人とも涙して喜んだそうです。
鵜川社長はそんなお二人の笑顔に感動しました。そして、みんな一生懸命に生きているということを実感したそうです。 障害者だから特別なんだということではなく、みんなが普通に生きること。 お互いできるところを持ち寄り一人一人がそこで輝いていくこと。そして、個人個人が大切にされることでお互いの長所を生かしあい、弱さを補い合う暮らしを実現していくこと。 これらを目指しながらこの個性豊かなテディベアをどうかみなさんに知っておいていただきたい・・ そして、世界に一つしかないこの「さをり織りのテディベア」を手にした人も、テディベア作りにかかわった人もみんなが一緒に幸せな気持ちになってほしいという願いを込めて、さをり織りからテディベアの誕生までを紹介させていただきました。 ぜひ・・ みなさんも個性豊かなテディベアたちとお話してみてはいかがでしょうか?
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